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イスラエルの新興企業であるSpeedataが、データ分析やデータベース処理の高速化を目的とした新プロセッサを発表
イスラエルの新興企業であるSpeedata社は、ステルス状態を脱し、データベースやデータ分析のワークロードを高速化するAnalytics Processing Unit(APU)チップ技術を発表し、7,000万ドルのベンチャー資金の提供を発表しました。同社のCEO兼共同設立者であるJonathan Friedmann氏は、CRNとのインタビューで、データベースやビジネス分析のプロセスにおいて、主流のプロセッサーの2倍以上の性能向上を約束しています。
Walden Catalyst Ventures社、83North社、Koch Disruptive Technologies社が主導するシリーズAラウンドで5,500万ドルを調達し、既存の投資家であるPitango First社、Viola Ventures社、およびMellanox Technologies社の共同創業者兼CEOであるEyal Waldman氏を含む複数の個人投資家が参加したことも発表しました。この資金調達は、ViolaとPitangoが主導した1,500万ドルのシード資金に加えて行われたもので、Speedata社の資金調達総額は7,000万ドルに達します。
Friedmann氏は、CPUの性能について、次のように述べています。「汎用プロセッサは、かつてのような速度では進歩していません。現在の処理装置は、今日のワークロードを管理するようには設計されていません。データセンターの世界で何が起こっているかを見ると、汎用プロセッサーから専用アクセラレーターへと大きくシフトしています。そして私たちは、アナリティクスとデータベースの世界でその変化をリードしています。」
2019年に設立され、イスラエルのネタニヤを拠点とするSpeedata社は、データセンターやクラウドベースのデータベースおよびアナリティクスのワークロードを最適化するための、初の専用プロセッサと称する製品を開発しています。市場調査会社のIDCが3月に予測したところによると、今後5年間で作成されるデジタルデータの量は、デジタルデータストレージの登場以来の2倍以上になるとのことです。今日、企業は、競争上の優位性をもたらし、デジタルトランスフォーメーションのイニシアチブをサポートするために、すべてのデータを収集、管理、分析して、洞察を得ようとしています。しかし、爆発的に増加する大量の「ビッグデータ」は、今日のデータベース、データETL(抽出、変換、ロード)処理、ビジネスインテリジェンスシステムにとって困難な課題であることがわかっています。
クラウドプラットフォーム企業は、従来、分析処理にCPU技術を使用してきましたが、最近では、Speedata社が 非常に限られた機能 と呼ぶFPGA(Field-Programmable Gate Array)プロセッサを活用したビッグデータアクセラレータの開発に着手しているところもあります。また、計算処理を高速化するために、高速なGPUプロセッサーも使用されており、AIなどの計算処理を多用するタスクのためのプロセッサーも開発されています。現在、プロトタイプの段階にあるSpeedata社のAPUは、「データセンターにおける分析やデータベースの処理方法を破壊する」としており、APUを搭載した1台のサーバーが複数のラックのCPUを置き換えることができ、劇的なコスト削減、省スペース化、エネルギー消費の低減を実現するとしています。また、APUのスケーラブルなアーキテクチャは、I/O、コンピュート、メモリーといったデータ分析の主要なボトルネックに対応し、これら3つのボトルネックを効果的に加速します。また、APUは従来のソフトウェアとの互換性があり、コードやソフトウェアフレームワークを変更することなく、ワークロードをシームレスに移行することができます。
Friedmann氏によると、APU製品は今後数四半期以内に一般発売される予定で、顧客にはクラウドプラットフォームのハイパースペックメーカー、コンピューターハードウェアOEM、カスタムITシステムを組み立てる大企業や組織などが含まれる見込みです。また、フォーチュン500社のうち数社が、APUのプロトタイプをテストするために、スピードータに分析ワークロードとサンプルデータを提供しているそうです。スピードータ社は、金融、ヘルスケア、テレコミュニケーションなど、大量のデータを扱うビジネスアナリティクスを必要とする業種での使用を目指しています。Speedata社の現在の従業員は、主に40人以上のエンジニアリングスタッフで構成されており、今回のベンチャー資金の多くは、このチームの拡大に充てられます。Friedmann氏によると、APUのコア機能の継続的な開発に加えて、APUと連携する計算機やネットワークソフトウェアに精通したエンジニアを増員する予定です。また、営業担当者、製品管理やカスタマーサポートのスタッフも採用しています。また、資金の一部は、APUを製造する委託チップメーカーに提供する予定だとフリードマンは述べています。
投資家であり取締役でもあるWaldman氏は、Speedata社の声明の中で、次のように述べています。「データセンターのアナリティクスは完全に変革されつつあり、アクセラレーション・プロセッサーはこの変革において実質的な役割を果たすことになるでしょう。NVIDIAのGPUがAI分野に革命を起こしたように、SpeedataのユニークなAPUはデータベースコンピューティングを変革します。データ処理は急速に成長している数十億ドル規模の市場であり、加速することで、明日のアプリケーションでのデータの利用を解き放ち、ビッグデータに依存する無数の企業の革新と競争を支援します。」
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