イスラエルの医療スタートアップ企業Salignostics社は、世界初かつ唯一の唾液ベースの迅速妊娠検査キットの商品化を発表

唾液の研究と技術開発を専門とするイスラエルの医療スタートアップ企業Salignostics社は、世界初かつ唯一の唾液ベースの迅速妊娠検査キット「Salistick」の商品化を開始すると発表しました。妊娠検査キットは、Salignostics社が先駆的に開発した唾液によるホルモン検出技術を活用し、数分で正確な結果が得られる高精度で費用対効果の高いツールです。また、このキットは、安全で衛生的であり、非侵襲的であると、同社は発表しています。SaliStickの商品化は、来年初頭に開始される予定です

Salignostics社によると、唾液には5,000種類以上のタンパク質が含まれており、それらは血液の生理的状態を反映し、重なり合っているとのことです。Salistickは、COVID-19を検出する唾液中の迅速抗原検査キットとして大きな成功を収めたSaliCovの開発に用いられたのと同じ原理に基づいており、唾液中の妊娠ホルモンであるβ-hCGを検出することができ、妊娠初期には実証済みの正確な検出率を実現します。Salignostics社は、Salistickの欧州連合（EU）のCEマーク取得に向けて非常に進んだ段階にあり、米国ではFDAへの検査キットの510(K)初期Q提出を完了したと述べています。また、イスラエルでは、妊娠中および非妊娠中の300人以上の女性を対象とした臨床試験を成功させ、数千件の分析試験を行っています。

Salignostics社の共同設立者であり、副CEO兼事業開発ディレクターであるGuy Krief博士は、次のように述べています。「唾液は、さまざまな医学的理由による迅速な診断の鍵となります。唾液は本質的に、ホルモンやウイルス、さらには病気を検出するための唯一の非侵襲的かつ簡便で衛生的な手段です。Salistick社では、唾液を分析することで得られた強力な診断能力を活用しています。妊娠検査の際に血液や尿を採取する必要性を完全に排除した製品をお届けします。」

Salignostics社は、便利で簡単に使用でき、迅速かつ正確な非侵襲的アプローチにより、健康状態、病気の発症、進行、治療結果をモニターするための費用対効果の高い手段へのニーズが高まっていることを認識した、志を同じくする5人の博士号取得者のグループによって2016年に設立されました。唾液には血漿と同じ成分が多く含まれており、多くの場合、血液の生理的状態を反映していることから、彼らは唾液の力を引き出すことに成功しました。この技術のパイオニアは、Salignostics社の社長であり、ヘブライ大学歯学部の前学部長であるAaron Palmon教授、CEOのOmer Deutsch,、上級研究員のYoav Neumann、最高科学責任者のRaluca Cohen、副CEO兼事業開発担当のGuy Kriefです。

妊娠検査薬の世界市場は年間20億ドル以上と推定され、毎年数億個の検査薬が販売されていると言われています。しかし、これらの検査はいずれも血液や尿から得られる結果に依存しており、多くの場合、医療従事者による検査が必要となります。Salistickは、いつでもどこでも使用することができ、清潔で痛みもなく、医療スタッフの介入なしに、生理不順の初日に安全にβhCG妊娠ホルモンを検出することができます。Salignostics社が行った調査によると、調査対象となった女性の68％以上が、従来の妊娠検査薬よりも唾液を使った検査キットを選ぶと回答し、21％が「好みではない」と回答しています。その主な理由として、製品の使いやすさ、便利さ、清潔さなどが挙げられています。唾液を使った検査・診断のパイオニアである当社のSaliCov簡易COVID-19抗原唾液検査キットは、その高い有効性が証明され、欧州連合（EU）からCEマークを取得し、欧州全域で販売しています。現在までに、ヨーロッパとアフリカに数十万個のキットを提供しており、この検査キットは、米国国立衛生研究所（NIH）のRADxアクセラレータプログラムに参加している唯一の唾液ベースの迅速抗原COVID検査です。Salistickは、SaliCovキットと同様に、衛生面を考慮して個別に包装されており、唾液を採取するための携帯型アプリケーターが付いています。唾液が採取されると（約1分），アプリケーターは直感的なツイスト＆クリック操作でコンパクトな分析ユニットに交換され，結果が分析されます。この結果は、結果ウィンドウに表示され、2本のラインはテストが陽性であることを示し、1本のラインは陰性であることを示します。結果は、唾液分析のみに基づいており、プラットフォーム技術に基づいています。この技術はバイオマーカーに特化していないため、COVID-19やマラリアの検出など、複数のアプリケーションやユースケースに応用することができます。