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生成AIモデル開発のためのオープンソース・インフラを構築する"Together Computer"がSeries Aで$102Mを調達
Together Computerは、Kleiner Perkinsがリードし、Nvidia、Emergence Capital、NEA、Prosperity 7, Greycroft、137 Ventures、Lux Capital、SV Angelなどが参加したSeries Aで$102Mを調達した。
Together AIとして知られるGenerative AIモデル開発のためのオープンソースインフラストラクチャを構築するTogether Computerの包括的なクラウドベースのプラットフォームは、オープンかつカスタマイズ可能なAIモデルを作成するために、どこの開発者でも使用できます。
2022年6月に設立されたTogether AIの共同設立者たちは、オープンソースのインフラストラクチャープラットフォームに加え、どのような組織でもアプリケーションにAIを組み込めるようなモデルやサービスを作ろうとしています。Togetherのクラウドプラットフォームは、AIモデルのトレーニング、微調整、本番稼働を容易にします。同社のインフラは、Amazon Web ServicesやMicrosoft、Googleといったクラウドベンダーが提供するものよりも低価格で拡張できるといいます。Togetherの目標はGenerative AIアプリケーションのための最速のクラウドプラットフォームを構築することです。
TogetherのCEOは「インタラクティブな推論ワークロードを実行する大規模な言語モデルにおいて、大幅なコスト削減を達成し、提供することができました。複数の安全な施設に設置された数千のGPU、仮想化ソフトウェア、スケジューリング、モデルの最適化によって、運用コストを大幅に削減することができます」と述べています。
同社はすでに、米国とヨーロッパにまたがるデータセンター網を構築しています。そのデータセンターは、Crusoe Energy SystemsやVultrとして知られるThe Constantのサーバーを使用しています。
同社のインフラは、わずか16個のGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)から上位のものでは2,048個までのクラスターで、合計20 exaflops以上の計算能力を提供できると主張しています。同社の顧客には、Nexusflow.aiやVoyage.aiといったAiスタートアップが含まれます。
もうひとつの主要顧客は、今週$55Mの資金調達を完了したばかりのスタートアップであるPika Labsです。同社は、Togetherのインフラ上で主要なText-to-Videoモデルを開発し、早期アクセス・ユーザー向けに毎月数百万本の動画を生成しているといいます。
「企業はTogetherのプラットフォームを使って、主要なオープンソースのLLMや、あるいは独自のモデルを、自社のアプリケーションに迅速かつ簡単に統合することができます。また、Togetherは事前トレーニングや微調整も提供します。我々の顧客は、業界をリードするパフォーマンスと信頼性により、生成AIワークロードをTogetherに導入することを選択します。同時に、AIへの投資結果は顧客のものであり、常にどのプラットフォームでも自由にモデルを実行できるという安心感を得ることができます。」と同社CEOは説明します。
クラウド・インフラストラクチャーの他に、Togetherはカスタム・モデルというものも提供しています。同社は、企業が特定のワークロードのためにカスタマイズされたAIモデルを設計・構築し、独自のデータでトレーニングするのを支援する専門家が待機しています。
オープンソースのAI研究もTogetherの関心分野です。最も興味深いプロジェクトのひとつがRedPajamaで、OpenAIのChatGPTに匹敵するチャットベースの一連の生成AIモデルを開発しています。さらに、同社はMeta Platformsのオープンソースのテキスト生成モデルLlama 2をカスタマイズして作成しました。そのほかのプロジェクトには、ChatGPTに対抗するもうひとつの試みであるOpenChatKitや、オープンソースのテキスト分析モデルGPT-J-6Bのフォークと言われるGPT-JTがあります。
ベンチャーキャピタルは今年、Generative AIに対する飽くなき渇望を示しており、この業界では何十ものスタートアップが巨額の資金調達に成功しています。最も資金を集めたGenerative AIスタートアップは、マイクロソフトや他の投資家から数十億ドルを獲得したOpenAIです。AI21 Labs、Anthropic、Cohere、Perplexity AI、Writerなども今年多額の資金を調達しています。
IDCの最近の予測によると、Generative AIは2027年までに$143Bもの資金を集める可能性があるといいます。しかし、本日未明、Bloombergは、画像生成ツールで知られるもうひとつの注目のGenerative AIスタートアップのStability AIが、提供する製品で収益が上がらないため、現在売却を模索していると報じています。
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