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AIのMistralとAFPが提携、ニュース記事を活用したチャットボットを提供
Agence France-Presse(AFP)とフランスの人工知能企業Mistral AIが、ニュース記事を活用したチャットボット「Le Chat」に関する提携を発表しました。この契約により、Mistral AIのユーザーはAFPのニュース記事を元にした情報をリアルタイムで取得できるようになります。この取り組みは、欧州発のニュース機関とAI開発企業による初の提携として注目されています。
この契約は、数年にわたるもので、その詳細な期間や金額は明らかにされていません。AFPのCEOであるFabrice Fries氏は、この提携が同社に「新しい収益源」をもたらすことを強調しました。一方、Mistral AIの創設者であるArthur Mensch氏は、AFPの記事が「検証済みの信頼できる情報源」を提供する点を評価しています。AFPは、フランス語、英語、スペイン語、アラビア語、ドイツ語、ポルトガル語の6言語で提供される約3,800万本の記事アーカイブをMistral AIの「Le Chat」に接続します。これにより、ユーザーは現在の出来事に関する質問に対し、AFPの記事を基にした回答を得られるようになります。ただし、このサービスは画像、動画、インフォグラフィックスにはアクセスできません。
Mistral AIの「Le Chat」は、ChatGPTのように質問に迅速に回答するツールです。今回のAFPとの統合により、特に「検証された情報」を必要とするユーザーに対し、信頼性の高いデータを提供します。一方、日常的な質問(天気やショッピングなど)についてはインターネット情報を活用する形をとります。AFPはMeta(FacebookやInstagramの親会社)のファクトチェックプログラムにおいて主要な役割を果たしてきましたが、Metaが米国での事実確認プログラムを終了すると発表した直後に今回の提携が発表されました。しかし、Fries氏は、「Mistralとの議論は1年前から始まっており、Metaの決定とは無関係です」と説明しています。この提携では、AFPの記事がMistralのAIモデルを訓練するために使用されるわけではなく、契約期間中のみ機能するモジュールとして提供されます。これにより、契約終了後もコンテンツがAIモデルに影響を与えない仕組みが取られています。この構造について、Fries氏は「一度限りの支払いではなく、継続的な収益モデルを構築することを目指しました」と述べています。
Mistral AIについて
Mistral AIは、ヨーロッパを拠点とするAIスタートアップで、高度な自然言語処理技術を駆使したソリューションを開発しています。同社のチャットボット「Le Chat」は、信頼性の高い情報を提供するツールとして設計され、今回のAFPとの提携により、その価値をさらに高めています。
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