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積層造形製造のFirestorm、HPと提携し移動型3Dプリンティングを進化させ、災害対応・軍事・医療分野での即時製造を実現
先進的な積層造形技術と無人航空機(UAS)の開発を手がけるFirestorm Labsは、HP Inc.との戦略的パートナーシップを通じて、同社のモバイル型Multi Jet Fusion(MJF)3Dプリンティング技術に関する独占販売権を取得したと発表しました。この提携により、Firestormは移動型および現地展開型環境におけるHP製高性能3Dプリンターの唯一の提供元となり、商業、災害支援、医療分野での即時生産を可能にする次世代製造モデルの構築が進みます。中核となるのはFirestormの「xCellシステム」で、これは拡張可能な2台の20フィートコンテナに収められたスケーラブルな製造システムです。発電機、バッテリー、または商用電源で稼働可能なため、前線基地や被災地、辺境の医療施設など電力インフラが不安定な地域でも展開可能です。xCellはHPの業界最高水準の3Dプリント技術を統合しており、必要な場所でリアルタイムにUASやミッションクリティカルな部品の製造を可能にします。
Firestormはこの取り組みを通じて、地域分散型でレジリエントなグローバル生産ネットワークの構築を目指しています。リードタイムや輸送の制約がある製品に対し、ローカルでの即時生産・改良を可能にすることで、従来の静的なサプライチェーンを動的かつ柔軟なものに進化させます。Firestormの共同創業者兼CTOであるIan Muceus氏は、「この提携はまさにゲームチェンジャーです。私たちは長年、HPの技術を信頼してきましたが、今後はそのパワーを最前線に直接届けられるようになります」と述べました。「プリント条件の最適化、新素材の開発、軽量化設計など、すべてが新しいステージへと進む準備が整いました」と意欲を語ります。HPのAdditive Manufacturing Solutions部門でグローバル営業責任者を務めるFrançois Minec氏も、「これは単に優れた3Dプリンターの話ではありません。世界中の救助隊、支援団体、軍関係者に“その場で必要なものを製造する力”を提供するというビジョンの具現化です」と語り、スケーラブルでローカルな製造体制の構築が持つ社会的意義を強調しました。
今回の提携は、システム運用、フィールド展開、ドローン組み立てなどにおける新たなハイテク雇用の創出も伴い、技術者、オペレーター、ロジスティクスの専門職など幅広い人材が求められています。両社は今後、製造の概念を根本から再定義し、静的な供給網から動的な現地生産への移行を推進していきます。移動型3Dプリンティングによって、組織は必要なものを“その場で・即時に・必要なだけ”製造できるようになるのです。
Firestorm Labsについて
Firestorm Labsはカリフォルニア州サンディエゴに本社を構えるAdditive Manufacturingスタートアップで、無人航空機(UAS)の積層造形製造に特化しています。スケーラブルかつモジュール型で迅速展開可能なUASソリューションを提供しており、先進的な設計と完全なオープンアーキテクチャ型ソフトウェアを組み合わせ、複雑で競争の激しい環境下における任務成功を支援しています。
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