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2025/09/03

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DefenseTechのQuantum Systems、CEO Florian Seibel「最大の課題は既存の大手防衛企業のようにならないこと」

欧州のDefenseTech業界では、既存の大手防衛企業(BAE Systems、Thales、Leonardo、Rheinmetallなど)に代わり、新しいテクノロジー主導の世代が主要プレーヤーになる未来が語られています。ドイツ拠点の監視ドローンメーカーQuantum Systemsは、その最有力候補の一つです。同社はオーストラリア、ドイツ、米国など各国政府と契約を結び、ウクライナでは数千回に及ぶ運用実績を持ちます。2025年5月にはシリーズCで1億6,000万ユーロを調達し、ユニコーン企業となりました。売上も前年比で倍増しています。

 

CEOで共同創業者のFlorian Seibel氏は「私たちの課題は既存の大手のように巨大で動きが鈍い企業にならないこと」と語ります。同社はロサンゼルス、オーストラリア、ドイツ本社に加え、キーウにも200人を配置し、グローバル展開を加速させています。ウクライナでの実戦経験は、製品改善やR&D投資の原動力となり、欧州の課題解決に役立つ知見を得ています。Seibel氏は、中国のロボティクスや自動化分野での台頭を例に挙げ、欧州が競争力を維持するためには無人システムやAI搭載ハードウェアへの投資を加速すべきだと警鐘を鳴らします。今後は軍事利用だけでなく、事故現場へのドローンによる初動対応やパイプライン監視、農業用途など、多様な分野で活用が進むと見られます。また、空から陸・海へと無人システムの領域拡大も計画しており、異なるドメインを統合する共通ソフトウェアスイートの開発を進めています。同社のISR(情報・監視・偵察)ドローンは長時間飛行と高性能センサーを備え、1機あたり約10万ユーロと高額ですが、1,000回以上の実戦で利用されることで費用対効果を証明しています。現在の主な課題は、対ドローン兵器への対抗策であり、回避機動や検知能力の最適化が進められています。

 

Seibel氏は「ウクライナで存在感を示せないメーカーは存在しないに等しい」と強調。現地にチームを置くことで迅速な修理や開発が可能となり、社員の士気や使命感も高まったと述べています。一方で、政府との契約獲得は依然として大企業優位の構造が残っており、Quantum Systemsは十分な実績と資金力を武器にその壁を突破してきました。Seibel氏は「将来的に他社を買収して技術力を高めることは理にかなうが、QuantumのDNAを維持しつつ俊敏性を失わないようにするのが経営の挑戦」と語り、次の成長に備えています。

 

Quantum Systemsについて
Quantum Systemsは2015年に設立されたドイツ拠点のDefenseTech企業で、ISRドローンを中心に空・陸・海の無人システムを開発しています。AIと自律飛行技術を融合し、軍事用途だけでなく公共安全、インフラ監視、農業など幅広い分野での利用を目指しています。ウクライナを含む複数国政府と契約を結び、世界の防衛市場で存在感を拡大しています。

 

TagsDefenceTechDrone

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