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オープンソースのAIモデルのMistral、ASML主導で17億ユーロ超を調達し時価総額140億ユーロに
パリを拠点とするMistral AIは、オランダの半導体製造装置大手ASMLから13億ユーロの出資を受け、進行中のシリーズCラウンドの総額が17億ユーロ超に拡大したと発表しました。今回の調達により、Mistralの評価額は約140億ユーロに達し、ASMLが最大の株主となります。GoogleやAmazonがAI事業に数十億ドル規模の投資を続けるなか、ASMLはグローバル半導体産業における重要プレイヤーとしての地位をさらに強化しました。Mistralにはこのほか、Nvidia、Microsoft、Andreessen Horowitz、General Catalystといった著名投資家も出資しています。同社の売上高は2023年の1,000万ユーロから2025年には6,000万ユーロへと急成長しており、エンタープライズ向け導入と戦略的提携がその原動力となっています。
Mistralは2023年に、元DeepMindとMetaの研究者であるArthur Mensch氏とGuillaume Lample氏によって設立されました。同社の強みは、公開重み付き大規模言語モデルを提供している点にあり、従来のクローズドなシステムと比べて透明性と柔軟性を企業に提供しています。
主力製品であるAIアシスタント「Le Chat」は、Free MobileやBNP Paribasといった顧客で導入が進んでおり、MicrosoftのAzureプラットフォームやAXA、Stellantisなどフランスの大企業との提携によって市場での存在感を強めています。
ASMLにとって、この投資は急成長するAI企業への足掛かりを確保すると同時に、自社の最先端チップ製造に不可欠な露光装置にMistralのAIを統合する可能性を広げるものです。業界関係者は、この動きがASMLの広範な戦略の一環であり、中国事業に影響を及ぼす地政学的リスクに備えつつ、インド市場開拓や欧州の技術的優位性強化につながると指摘しています。
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