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大規模言語モデルのAnthropicが、著作権訴訟で15億ドル和解案、AI学習に「海賊版データ禁止」の新基準
AI企業Anthropicが直面していた著作権訴訟で、原告側が15億ドルの和解案を提示しました。この集団訴訟は、作家や出版社がAnthropicがLibGenなどの「シャドウライブラリ」から違法コピーされた数百万冊の書籍をモデル学習に使用したと主張したものです。和解案は、AI業界において「海賊版コンテンツを学習データに利用することは認められない」という強力な前例を築きました。
訴訟では、著作権法上の「フェアユース」がAI学習に適用されるかどうかが議論されました。裁判所はAI学習をフェアユースと認める一方、違法入手データの使用については明確に禁止する判断を示しました。これにより、AI企業は学習データの出所を厳密に記録し、正規ライセンスを交渉する必要があることが明確になりました。作家や出版社にとっては、公平な補償と新たな交渉力を得る大きな勝利です。
和解案は、著作権者が簡単な手続きで請求できる仕組みを導入し、多くの作品について著者と出版社が50/50で分配する案を提示しています。作家Charles Graeber氏やKirk Wallace Johnson氏は「知的財産を盗むのは間違いであり、テック企業も法を超越する存在ではない」と強調しました。今回の訴訟は、現在係争中の他のAI著作権訴訟に対しても指針となる可能性が高く、AI開発企業にとってはデータ調達手法を抜本的に見直す契機となります。裁判所は近日中に原告側の和解案を審議する予定です。
Anthropicについて
Anthropicは、AIの安全性と信頼性に重点を置いた生成AI企業で、ChatGPTの競合「Claude」シリーズを開発しています。透明性や人間中心のAI開発を掲げる同社は、米国を拠点にOpenAIに次ぐ注目株として急成長しており、Googleなどから大型投資を受けています。今回の訴訟は、AI業界全体における知的財産権の取り扱いに重要な影響を与えるケースとなりました。
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