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2025/10/21

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中東・北アフリカ(MENA)地域の重要産業向けにAIインフラを構築する"1001 AI"がSeedで$9Mを調達

1001 AIは、General Catalyst、Lux Capital、CIVがリードし、著名なエンジェル投資家も参加したSeedで$9Mを調達した。

中東・北アフリカ(MENA: the Middle East and North Africa)地域の重要産業向けにAIインフラを構築する1001 AIは、創業から2ヶ月で既に航空、物流、石油・ガスといった重要な分野において、意思決定のためのAIネイティブなオペレーティングシステムを通じて非効率を削減するために、湾岸地域の大手建設会社や空港と協議を進めています。

湾岸諸国、特にUAEとサウジアラビアは、AIの世界的な導入において最も積極的な地域の一つとなっています。アブダビの政府系企業G42や、サウジアラビアのNational Center for AIのように、政府は何十億ドルもの資金を投じて現地のAIインフラを構築し、グローバルな人材を誘致しています。

このような需要、予算、そして緊急性の組み合わせが、この地域を完璧なテスト環境にしています。しかし、ほとんどのAIスタートアップがソフトウェアやエンタープライズ向けツールに注力するのに対し、1001は現実世界の物理的なオペレーションに焦点を当てています。これは、同社の投資家が中東でより大きな可能性を見出している分野です。

Scale AIでの勤務を含む約10年間の米国での経験を経て、その知見を次のベンチャー企業で活かそうとするBilal Abu-Ghazalehによって設立されたである1001 AIは、年末までに最初のプロダクトをローンチし、その後新規プロジェクト向けに意思決定AIを販売することを目指しています。

たとえば、空港運営で効率化が進めば、空港だけでなく航空会社にも節約効果が波及します。また、この地域のメガプロジェクトのうち10件中9件がスケジュール遅延または予算超過に陥っており、わずかな効率改善でもプロジェクトに大きなコスト削減効果をもたらす可能性があります。

「空港、港湾、建設、石油・ガスといった上位3〜4産業だけを見ても、湾岸地域だけで$10B以上の非効率があります。UAE、サウジアラビア、カタールのような市場に限ってもこれだけの規模です。他の分野を含めなくても、これらの産業は非常に大きな機会を示しています」と1001 AIの創業者兼CEOは述べています。

ヨルダンで生まれ育ったAbu-Ghazalehは、大学進学のために米国へ渡り、その後Bay Areaのスタートアップシーンに参加しました。コンピュータービジョンスタートアップであるHive AIでプロダクト職に就いた後、2020年に拡大期にあったScale AIに加わりました。そこでは、オペレーション・アソシエイトから同社の生成AIオペレーション部門ディレクターへと昇進し、トレーニングデータのアノテーションやラベリングを担当するコントリビューターネットワークのスケールに貢献しました。

その後、彼はScaleの国際公共部門に参画予定でしたが、MetaがScaleに投資したことで方向転換があり、Abu-Ghazalehは1001 AIを創業するために退社しました。

「私たちは、物理世界の問題をスケールで解決するAIに非常に強気です。たとえば、空港のフライト折り返し最適化、港での貨物移動、建設現場の運営最適化などです。MENA地域は、デジタル化が遅れていて、変革の機が熟しているミッションクリティカルなインフラを持っており、この分野で大きなポテンシャルがあります」とLux CapitalのPartnerは述べました。

プロダクトはまだ開発中ですが、Abu-Ghazalehはその仕組みの一端を明かしています。このシステムは、クライアントの既存ソフトウェアからデータを取得し、運用フローをモデル化して、リアルタイムで指示を出し効率を向上させます。

「現在、オペレーションマネージャーは手動で誰かに電話して給油車を迂回させたり、清掃スタッフを別のゲートに送ったりしています。私たちのシステムでは、そのオーケストレーションが自動で行われます。AIオーケストレーターがリアルタイムのデータを使って車両のルートを変更し、スタッフを再配置し、人の介入なしに運用を調整します」と1001 AIの創業者兼CEOは述べています。

多くの初期段階のAIスタートアップが特定の産業に特化しているのとは異なり、1001が幅広い業種にアクセス可能だとかが得ています。というのも、業界をまたいでもオペレーションフローには共通点が多いためです。

このモデルは、コンサルティングや契約業務の厳格さを取り入れています。チームはクライアントのもとに数週間入り込み、共同開発スプリントを実施して、それぞれのオペレーションの実情に合わせたシステムを構築していると説明しています。

新たに調達した資金は、航空、物流、インフラ分野への初期展開を加速させるとともに、エンジニアリング、オペレーション、GTM分野での採用にも活用され、ドバイとロンドンを拠点にチームの拡大を図ります。

このスタートアップは年内に最初のクライアント導入を建設分野から開始する計画です。今後5年間で、1001 AIは湾岸地域の主要産業におけるオーケストレーションレイヤーとしての地位を確立し、その後グローバル展開を目指しています。

 

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