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2026/05/22

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AI駆動の心血管イメージングのCleerly、ロサンゼルス郡で初めて全システム導入

ロサンゼルス郡を含む南カリフォルニアで医療システムを運営する非営利統合ヘルスケア機関のMemorialCareは、AI駆動の冠動脈解析テクノロジー「Cleerly」のシステム全体への導入を発表しました。Cleerlyは米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けたAIパワード冠動脈解析プラットフォームで、標準的な心臓CT検査の結果から、冠動脈内の「カルシファイド・プラーク(石灰化プラーク/硬性プラーク)」と「ノンカルシファイド・プラーク(非石灰化プラーク/ソフトプラーク)」の双方を識別・定量化することができます。とりわけ後者のソフトプラークは、心臓発作を引き起こす可能性がより高く、従来のイメージング手法では見落とされやすいことが知られています。今回のローンチによって、Long Beach Medical Centerはロサンゼルス郡で初めて、本AI駆動アプローチによる冠動脈疾患の検出・定量化を冠動脈疾患の患者個別治療プランニングに活用する病院となりました。

 

MemorialCare Heart & Vascular InstituteのAdvanced Cardiac Imaging担当メディカルディレクター兼カーディオロジストであるDr. Christina Rodriguez Ruizは、「心臓病は依然として米国の死因のトップであり、しばしば心臓発作が起きるまで検出されずにいる。Cleerlyは、冠動脈における総プラーク量とソフトプラーク量を定量化するのに役立つ。ソフトプラークは破裂し、心臓発作を引き起こす可能性が高いとされており、これを早期に検出・定量化することで、生命に関わるイベントを未然に防ぐ機会が広がる」とコメントしています。同氏はまた、「ロサンゼルス郡で初めてCleerlyを提供することは、患者ケアを本質的に改善するイノベーションをリードするというMemorialCareのコミットメントを反映している」と述べています。Cleerlyは、MemorialCare Heart & Vascular Instituteを通じて提供され、AIによって冠動脈におけるプラークの蓄積を識別、測定、特性評価することで、従来の冠動脈CT血管造影(CCTA)を強化する仕組みです。AIモデルは、ソフトプラークがCT画像上でどのように現れるかについての微妙な差異を学習しており、周囲の組織と紛れ込みやすく標準解析では見つけにくい脂質性のプラーク蓄積を検出できるよう設計されています。

 

サービスの提供は、Long Beach Medical Centerに加え、Orange Coast Medical Center、Saddleback Medical Centerでも同時に開始されており、南カリフォルニア圏の患者に対し先進的かつ非侵襲的な心臓イメージングへのアクセスが拡大されます。Cleerly解析は侵襲を伴わず、手術や入院も必要ありません。臨床面では、ヨーロッパ心臓ジャーナル誌(European Heart Journal Cardiovascular Imaging)に掲載された前向き多施設臨床試験「CERTAIN」をはじめ、複数の大規模試験において冠動脈疾患評価におけるパフォーマンスが実証されており、検査結果はMemorialCareの委員会認定医師(Board-Certified Physicians)が個別にレビューし、個別コンサルテーションを通じて患者へ説明する運用となっています。償還面でも、Cleerlyの解析はMedicareに加え、UnitedHealthcare、Aetna、Cigna、Humanaなど主要な民間保険会社で症候性患者向けにカバーされており、メインストリーム医療における認知が着実に高まっていることがうかがえます。なお、MemorialCareおよびその医師は本コラボレーションに関連してCleerlyから金銭的報酬を受領していないことも明示されています。

 

Cleerlyについて
Cleerlyは、Cardiologist(循環器内科医)のDr. James K. Min(CEO兼ファウンダー)によって2016年に米国・ニューヨークおよびコロラド州デンバーを拠点に設立された、AI駆動の心血管イメージングスタートアップで、「心臓発作を撲滅する」という大胆なミッションのもと、冠動脈疾患(CAD)に対する新しいケアスタンダードの確立を目指しています。同社のFDA承認済みソリューションは、非侵襲的なCT画像から冠動脈疾患の包括的なフェノタイピング(病態評価)を可能にし、4万人を超える患者由来の数百万枚の医用画像に基づく科学的根拠に裏打ちされています。世界クラスの臨床・技術チームが運営する同社は、冠動脈ケアパスウェイにおけるあらゆるステークホルダー、すなわち患者、医療従事者、ペイヤー(保険者)に対するヘルスリテラシーの向上を目指しています。資金調達面では、累計約5億7,800万ドルを5回のラウンドで調達しており、2022年7月にT. Rowe PriceおよびFidelityがリードした1.92億ドル(後に2.23億ドルへ増額)のシリーズCに加え、2024年12月にはInsight PartnersがリードしBattery Venturesも参加した1.06億ドルのシリーズC拡張ラウンドを実施しています。直近では、AIプラーク解析に対するMedicareのカバレッジ取得や、2026年1月施行のCategory I CPTコード取得など、米国国内における償還スキームの整備も進めており、AI×心血管医療の市場拡大を加速させています。

 

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