Startup Nationとして成長を続けるイスラエル

よく言われることですが、イスラエルは Startup Nationとして世界的に有名です。イスラエルで創業された驚異的で革命的な企業の数々には、本当に驚かされるばかりです。この現象は、1980年代後半にイスラエルで設立されたスタートアップ企業によって始まりましたが、本当に転換期を迎えたのは1993年です。その年、政府は「The Yozma Program」と呼ばれるプログラムを開始しました。このプログラムは、イスラエルに投資する外国人ベンチャーキャピタルに税制上の優遇措置を与え、政府からの資金で投資額を2倍にすることを約束するものでした。このようなベンチャー企業への優遇措置は、欧米の多くの政府がこのような優遇措置をとる数十年前に実施されたものです。マイクロソフトなどの有名大企業は、急成長するイスラエルの技術市場に貢献しようと、イスラエルにスタートアップアクセラレーターやイノベーションセンターを設立し始めました。年月が経つにつれ、イスラエルは私たちが知っているような「Startup Nation」へと開花していきました。

現在、イスラエルには6,000社以上のスタートアップ企業が存在し、数百億ドルの資金を獲得しています。イスラエルでは、ユニコーン（10億ドル以上の価値を持つ新興企業）を100社近くも設立しています。イスラエルは人口約900万人、イギリスは人口約6,700万人ですが、ユニコーンは43社しか設立されていません。イスラエルのスタートアップといえば、WazeやMobileyeが有名ですが、他にも素晴らしい製品を世に送り出している企業は数え切れません。今回は、そのような企業の中から、皆さんが知らないような企業に焦点を当てたいと思います。

SniffPhone : 病気の匂いを嗅ぎ分けるデバイス
スポットライトを浴びるきっかけとして、このスタートアップは、がんの匂いを嗅ぎ分ける電子鼻を作りました。SniffPhoneは、患者が息を吹きかけるだけで、がんを含む病気を診断できる画期的な技術を持つ医療機器です。ナノテクノロジーの化学センサーを使い、自分の息の特定の質を測定し、その結果をワイヤレスでデータベースに送り、医療従事者が分析することができます。欧州委員会による「最も革新的なプロジェクト」に贈られる「2018年イノベーション賞」を受賞しています。

ReWalk :  バッテリー駆動の外骨格
次の会社は、ただただ信じられないような技術を生み出しました。脊髄損傷者に再び歩くという贈り物を与えるのです。ReWalkは、直立、歩行、旋回、階段の昇降を可能にするウェアラブルなロボット型外骨格です。ReWalkは、米国でFDAの認可を受けた最初の外骨格です。

これらの前述の製品は、イスラエルが現実にもたらしたアイデアの氷山の一角を示すに過ぎません。今年はイスラエルのスタートアップ経済にとって低調な年でしたが、イスラエルは今後も企業を立ち上げ、厳しい批判者にもその価値を示すため、リバウンドが予想されます。