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長寿バイオのNewLimit、AI駆動の実験系Ambrosiaで高齢者由来の肝細胞に若返りの兆候を確認したと公表
NewLimitは、自社のAI実験システムAmbrosiaを用いて、60歳を超えるドナー由来の肝細胞を初期化し、数十年若い細胞に関連する遺伝子の発現が見られたと公表しました。同社のブログに掲載された更新によれば、アルコールによる損傷への耐性が上がり、再生能力も改善したとしています。細胞の初期化とは、成熟した細胞の遺伝子発現の状態を若い状態へ戻す試みを指します。
Ambrosiaは同社が「lab-in-the-loop」と呼ぶ仕組みで、既存データを解析するだけでなく、実験を提案し、結果を読み取り、次の実験を提案します。肝臓に関する取り組みでは、遺伝子の発現を制御するタンパク質である転写因子の組み合わせを3000通り以上試し、50を超える候補を絞り込んだうえで、4つの指標で老化した肝細胞が若く見える状態にする少数の候補を特定したとしています。続く食餌誘発性の肝障害モデルを用いたマウス実験では、そのうち2つが血中の肝障害マーカーを低下させたと説明しています。
ただし現時点での位置づけには注意が必要です。これらは査読を経ておらず、同社が自ら実施した実験に基づく自社報告です。ヒトへの投与はまだ行われておらず、肝疾患を対象とする最初の臨床試験の開始は2027年の予定とされています。細胞やマウスで有望に見えた結果が臨床試験で消えた例は珍しくありません。それでも投資家の評価は先行しており、同社は6月にFounders Fundが主導するシリーズCで4億3500万ドルを調達し、STAT Newsによれば評価額は31億ドルに達しました。1年足らず前には10億ドル未満だったとされます。探索と選別の期間を短縮できるかどうかに賭けが集まっている構図で、実際の検証は2027年の試験開始を待つことになります。
NewLimitについて
NewLimitとは、2021年に設立されたアメリカの長寿バイオテクノロジー企業で、拠点はカリフォルニア州サウスサンフランシスコにあります。CoinbaseのCEOであるBrian Armstrongが、元GVパートナーのBlake Byers、計算生物学者のJacob Kimmelとともに立ち上げ、KimmelがCEOを務めます。中核となるのは、細胞の遺伝子発現の状態を若い状態へ戻すエピジェネティック・リプログラミングの研究で、実験の提案と結果の解釈を繰り返すAIシステムAmbrosiaを開発しています。細胞の若返りに関する探索を大規模に自動化し、転写因子の組み合わせを網羅的に試せる点を強みとします。加齢に伴う機能低下を治療対象として扱えるようにすることを掲げています。
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