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Alpha Tau Medical社、癌と戦うために10億ドルの評価額でSPAC社と合併へ
簡単な針の処置で放射性物質を注入して腫瘍を破壊することができるというイスラエルのスタートアップであるAlpha Tau Medical社は、特別目的買収会社であるHealthcare Capital Corp.と評価額10億ドルで合併すると発表しました。この合併により、最大で3億6700万ドルの総収入が得られる見込みだと両社は声明で述べています。合併による純収入により、Alpha Tau社のバランスシートには約3億6,200万ドルの現金が残ることになりますが、この資金は、FDA(米国食品医薬品局)の販売承認の取得、研究開発活動への資金提供、製造能力の拡大、商業化の準備など、Alpha Tau社の臨床戦略の推進に使用されます。この資金は、少なくとも2024年まで続く見込みです。
2016年に設立されたAlpha Tau Medical Ltd.は、イスラエルの腫瘍治療薬メーカーで、固形腫瘍の治療のためのAlpha DaRT技術の研究、開発、商業化に注力しています。拡散アルファエミッター放射線治療(DaRT)と呼ばれるこの治療法では、放射性同位元素であるラジウム224を含む針を腫瘍の位置に挿入します。腫瘍の位置に挿入された針は、原子を放出してアルファ線を放出し、がん細胞のDNAに修復不可能な損傷を与えることで、がん細胞を死滅させることができます。
Alpha Tau社は、今後も現在の経営陣が率いていきますが、買収完了時には、HCC社の会長であるDavid Milch博士がAlpha Tau社の取締役に就任する予定です。提案されている企業結合は、2021年末までに完了する予定であり、その際、Alpha TauはNasdaqに上場する予定です。合併時に行われるPIPE(Private Investment in Public Equity)資金調達ラウンドを通じた合併案件への投資家には、Yozma Investment Co. また、イスラエルのOurCrowd社、Regah Ventures社、Apax Partners社の共同設立者であるAlan Patricof氏とSir Ronald Cohen氏などのテクノロジー関連の投資家も含まれています。また、Alpha Tauの初期の支援者であり、革新的な治療法を国際市場の患者様に提供している世界的な製薬会社であるMedisonグループも、今回のPIPEに出資しています。
Alpha Tau社の会長兼CEOであるUzi Sofer氏は、次のように述べています。「今回の取引は、アルファ線の精密照射により固形がんの治療法を変革するというAlpha Tau社の取り組みにおいて、新たな重要なマイルストーンとなります。この取引の完了により、当社はビジョンを実現し、世界中の何百万人もの患者さんに希望をもたらすために、臨床開発計画と世界各地の製造工場の建設を実施することができます。」
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