Startup
Quantum Machines が、量子オーケストレーションで量子コンピュータの新時代を切り拓く
次の破壊的イノベーションの最右翼と目されている量子コンピュータですが、AWSやGCPなどで一部商用化されていますが、まだ解決すべき課題も多く、研究開発段階です。実用化に向け着々と技術が確立しつつあり、成果をニュースで目にする機会が増えています。次の産業革命レベルの技術革新となりうる量子コンピュータに関連したイスラエルのスタートアップQuantum Machinesを紹介します。
■概要
イスラエルのスタートアップ「Quantum Machines」は、量子の研究開発を前進させるというビジョンのもと、2018年に設立され、量子コンピュータを動かすための古典的なハードウェアとソフトウェアのインフラを開発しています。QPUを制御・運用するための業界最先端の「Quantum Orchestration Platform」と呼ばれる量子システムを制御するための完全なハードウェアおよびソフトウェアソリューションを開発しており、量子制御システムに特化した60名の量子物理学者とエンジニアのチームで構成されています。
ソフトウェアソリューションの「Quantum Orchestration Platform」及びハードウェアソリィーションの「Operator-X (OPX)」は、研究部門とビジネスサービス部門の両方のニーズをサポートするユニークな立場にあり、「研究範囲の拡大」、「研究期間の短縮」、「アルゴリズムの研究開発において、より深いレベルの洞察の獲得」、「マルチQPUの商用クラウド展開」、「研究開発から市場導入への好循環」の実現を支援します。
■特徴・強み
・ 「Quantum Orchestration Platform」は、すべての主要な量子ゲートベースのアーキテクチャにおける量子制御とオーケストレーションが可能
(超電導、シリコン量子ドット、イオントラップ、NVセンター等)
・「Quantum Orchestration Platform」は、Qubit Platformに依存しないため、下記の利点があります。
1. すべてのラボに同じコントロールシステムを使用可能
2. 実験を標準化することが可能
3. リソースの効率化と柔軟性を備える
・「Quantum Orchestration Platform」のアーキテクチャの特徴
1. あらゆるアーキテクチャにおいて、統一された標準ベースの量子制御層を提供し、任意の数の Qubits に対する性能とスケーラビリティを実現
2. 量子技術の最低レベルの機能を直感的に公開して、最先端のアルゴリズムのパフォーマンスを最適化
3. 古典的な計算エンジンをQPUに近づけたり、データセンターのインフラと統合し、量子-古典ハイブリッドアプリケーションを最適化するなど、異なるインフラに対応した制御システムを提供
4. 独自のカスタムパルスプロセッサを構築し、それが相互作用する量子プロセッサから独立しながら、マルチキュービット操作を処理
5. 中核には、量子コンピューターのためにゼロから開発され、複雑さ、タイミング、精度、超低遅延など、量子制御プロトコルの非常に厳しい要件を満たすように設計されたハードウェアシステムであるOperator-X (OPX)があり、 複数の OPX を統合して、大規模な量子プロセッサの制御と操作を実現
6. Quantum Orchestration Platformを利用することで、複数のOPXを、同じハードウェア内にあるかのようにシームレスにプログラムでき、追加の作業が不要
・量子コンピュータ開発者は、下記の利点があります。
1. 独自のアプローチにより野心的な研究開発プログラムの目標を加速
2. QPUの研究開発の進歩を先取りする機能
3. 最小のランタイムとレイテンシーによる生産性とスケーラビリティの向上
4. 直感的なプログラミング環境による生産性の向上で、結果が出るまでの時間を短縮
・量子コンピュータープロバイダーは、下記の利点があります。
1. 幅広い量子機能をサポートする、量子ビットにとらわれない包括的な制御スタック
2. データセンターへの展開における標準化、スケール、経済性
3. コントロールプレーンに関わる研究開発の重複を排除
4. 量子と古典のハイブリッドを含む、優れた性能と互換性をユーザーに提供
・60名の量子制御の専門家(物理学者、エンジニア)で構成された学際的なチーム
https://www.quantum-machines.co/team/
・カテゴリ内で最大の50件の特許ポートフォリオ (内13件がUSPTO)
https://uspto.report/company/Quantum-Machines
・主要な政府研究所、学術機関、QPUベンダー、クラウドプロバイダーとの連携
(Caltech,ハーバード大学、オランダ デルフト大学、イリノイ大学、プリンストン大学、テキサス大学、タタ基礎研究所、オーストラリア ニュー・サウス・ウェールズ大学、チューリッヒ工科大学、東京大学 等々)
■参考
・Quantum Machines関連ニュース
https://www.quantum-machines.co/news-and-publications/
・Quantum Machinesブログ
https://www.quantum-machines.co/blog/
関連ニュース
最新ニュース
防衛および国家安全保障システムの次世代を構築する"CHAOS Industries"がSeries Cで$275Mを調達
2025/05/03
Kubernetes自動化のリーディングプラットフォームである"Cast AI"がSeries Cで$108Mを調達
2025/05/02
血圧インテリジェンスプラットフォームの"Hailo(旧称Aktiia)"がSeries Bで$42Mを調達
2025/05/02
投資銀行家を模倣するチャットボットを開発する"Rogo"がSeries Bで50Mを調達し、評価額は$350Mに拡大
2025/05/01
B2B取引を加速させる物理的な物品取引インフラを構築する"Nuvo"がSeries Aで$45Mを調達
2025/05/01