Frontegg SaaSアプリ開発者向け顧客管理・アイデンティティプラットフォームを開発

Software as a Service（SaaS）プラットフォームの登場は、1999年のSalesforce.comに始まったかもしれませんが、そのビジネスモデルは今日、ほぼユビキタスに達しています。しかし、SaaSアプリの開発者の多くは、複数ユーザーのログインやセキュリティを管理する基盤システムを自社で構築することに課題を感じています。

Sagi Rodinは、イスラエルに本社を置く、世界で最も革新的かつ大規模なセキュリティ企業の1つであるCheck Point Software社でソフトウェアエンジニアとして働いていた時に、同じ課題に遭遇しました。新しいアプリケーションを開発するたびに、顧客のIDおよびアクセス管理アプリケーション（CIAM）をゼロから構築しなければならなかったのです。そこで彼は、この問題を解決するためにCheck Pointを退職することを決意しました。

CEOのSagi RodinとCTOのAviad Mizrachiによって2019年にイスラエルで設立されたFronteggは、シングルサインオンから複雑な認証、マルチテナント認証、APIトークン管理、エンドユーザー向けのセルフサービス管理ポータルまで、あらゆる側面をカバーしてアプリ構築者を支援するプラットフォームです。

Rodinは、次のように述べています。「物語は実は2015年に、イスラエル最大の企業、おそらく史上最も成功したイスラエル企業であるCheck Pointに入社したときに始まりました。同社はファイアウォールを発明した会社です。しかし、そこでのビジネスのほとんどは、ハードウェアと多くのセキュリティを含む旧式の開発でした。私がこの会社に入ったのは、他のスタートアップの買収によるものでした。私は15歳からモダンなWebアプリケーションを開発していたため、モダンなSaaS開発に関連するあらゆることを知ることができるようになりました。」

Rodinは、この問題を解決できると考え、Check Pointの上級管理職に、この問題に取り組む小規模なチームを雇用する許可を求めました。彼らは1日限りのハッカソンでソリューションを構築し、プロトタイプから完全な実装へと迅速に移行しました。2019年には、50以上のサービスがこのアプリケーションを使用し、アプリケーションの開発を加速させるなど、Check Pointにとって大きな成功を収めました。では、なぜCheck Pointを辞めたのでしょうか。Rodinは、次のように述べています。「私にとってCheck Pointは、自分で何かを立ち上げるための途中下車の場所として常に存在していたのだと思います。在籍していたスタートアップ企業が大きな組織に買収されたとき、その経験を活かして起業の準備をしたのです。今日、多くの人が、いつでもすべてを捨てて会社を立ち上げられると勘違いしているように思います。そして、それは簡単なことです。しかし、簡単なことではなく、準備が必要なのです」

Fronteggを立ち上げる前に、彼と彼の共同創業者は、さまざまな規模の会社の創業者に話を聞き、自分のアイデアを製品化し、市場に出すまでの道のりがどのようなものかを理解しようとしました。AWSのようなクラウドサービスや、ShopifyのようなEコマースのためのアプリケーションはありましたが、顧客のログインやID管理のための同様のアプリケーションは皆無でした。「Fronteggのアイデアはここから生まれました。最新のB2B SaaSアプリケーションのコアコンポーネントを提供し、他の企業のイノベーションを加速させるのです。このユニークな名前は、「Front」からリードするというコンセプトと、「Egg」のイメージを組み合わせたものです。卵は、上から下まで強く、新しいアイデアやイノベーションを孵化させるシンボルでもあります。」

現在、Fronteggはイスラエルと米国カリフォルニア州のベイエリアに60名以上の従業員を擁し、製品開発とエンジニアリングはイスラエル、マーケティングとセールスは主にカリフォルニア州マウンテンビューにあり、現在は本社的な役割を担っています。Rodinは、より顧客の近くにいるために、家族までベイエリアに移住させました。最初の顧客は新興企業でしたが、今ではシーメンスのような大企業にも進出しています。しかし、Rodinは、スタートアップのエコシステムを忘れず、プレミアム価格のエンタープライズ版に加えて、無料または低コストのセルフヘルプ版も提供していると付け加えた。このような成長と、2023年にFronteggを「Best Software Award Winner」に選んだ業界アナリストのG2が報告したような好意的な顧客評価により、同社はこれまでに7000万ドルの資金を集め、直近ではInsight PartnersとStripesが主導する2022年7月のシリーズBで4000万ドルを調達しています。2020年10月に行われた500万ドルのシードラウンドは、Pitango VCが主導し、他の投資家も加わって行われました。

Rodinは、Fronteggが最初のプラグアンドプレイCIAMプラットフォームであり、そのリーダー的地位を維持していると主張していますが、同社は現在、多くの競合が存在する非常に大きく、急速に成長しているソフトウェアカテゴリーの一員となっています。実際、世界のアイデンティティ・アクセス管理市場は、今後、拡大が予想されます。