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オープンイノベーションを進める絶好のタイミング到来 日本市場に参入するイスラエル企業が増加傾向
かつて参入障壁のある遠い市場だと思われていた日本は、イスラエルのスタートアップ企業にとってかつてないほど魅力的な国になっています。NTT Israel Innovation LabのCEOであるNoa Asherは、東アジアへのシフトを促し、下記のように語っています。
テクノロジー産業の危機、経済の混乱、地政学の変化、イスラエルの政治状況による西側市場の課題などから、現地のスタートアップは、新しい市場を開拓する必要がでました。そこで、リスク分散の観点で、遠い市場である日本はこれまで以上魅力的になり、日本進出をするイスラエルのスタートアップが増えてきています。日本とイスラエルの経済的・技術的なつながりは過去10年程で強くなっているので、両国の協力の可能性は非常に大きいとされています。
これまで、イスラエルのスタートアップは、海外市場に進出する際に主にアメリカやヨーロッパをターゲットにしてきました。これは、地理的な近さ、文化的なつながり、人口や財政的な観点での市場の大きさなどが理由です。しかし、変化の激しい経済、政治、地政学的状況により、リスク分散を目的とし、競合が少ない日本への進出が現実的になってきています。
ここ数十年で日本が経験した経済的停滞を克服するため、大手企業や大企業は、かつて世界をリードした日本のイノベーション文化を再活性化するため、成長の触媒としてオープンイノベーションのアプローチを採用しています。その結果、イスラエル企業とのコラボレーションは、他の極東諸国の一部のイスラエル人起業家が経験したような、単なるブランディングやイメージアップのための努力ではなく、日本人に必要なものと見なされるようになりました。日本は、イスラエルが米国の緊密なパートナーであり、(米国企業にとっても)重要なイノベーションの源泉であると認識しているため、より緊密な関係を築き、より多くのコラボレーションを促進することを熱望しています。
イスラエルの起業家にとって、大企業がイスラエルのイノベーションに門戸を開いてくれる日本は、無限のビジネスチャンスの源泉です。日本企業は、イスラエル人にとって欧米企業ほど身近ではないかもしれませんが、世界中で何十万人もの労働者を雇用し、それぞれ数十億ドルの収益を上げています。日本はそれ自体が巨大な市場であるだけでなく、世界、特に欧米市場のつながりが弱い国へのゲートウェイでもあります。近年、多くのイスラエルのスタートアップがスケールアップしていますが、ここではイスラエルと日本の補完的な強みが発揮されます。イスラエル人はZero to Oneのアプローチ(アイデア出しや迅速な開発)を得意とし、日本人はOne to Nのアプローチ(スケーリング、マーケティング、製造)を得意とします。
イスラエル企業がリーダーとして評価されているいくつかの分野では、日本が多くの機会を提供しています。例えば、日本の高齢化と平均寿命の延伸は、イスラエルのデジタルヘルス企業が日本で事業を展開し、医療費削減に貢献する機会となっています。日本が最近発表した防衛予算の倍増(GDPの2%)は、安全保障ニーズの高まりを示すものであり、安全保障、サイバー戦争、国土安全保障を専門とするイスラエル企業と日本のカウンターパートとの協力関係を拡大することができます。さらに、日本の農家の高齢化と生産性向上技術の必要性から、革新的な農業ソリューションへの需要が生まれており、モビリティ、スマートシティ、グリーンエネルギーなど、他の分野でも同様の需要が生まれています。
アブラハム合意は、アラブ人によるボイコットを恐れてイスラエル企業との提携に消極的であったことを払拭しました。日本企業もアブラハム協定以降、イスラエルとのビジネスが許容されるようになり、アラブのボイコットに対する懸念はもはや関係ありません。イスラエルと日本の技術関係は、長い年月を経てようやく成熟期を迎え、関係者全員が利益を得ることができるようになりました。イスラエルのスタートアップの皆さん、今こそ日本への方向転換の時です。
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