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SalesforceとOpenAI、戦略提携を拡大 Agentforce 360とフロンティアモデル連携で「会話がそのまま業務と購買の面」に
SalesforceとOpenAIは、エンタープライズの仕事とコマース領域での戦略提携を拡大し、SalesforceのAgentforce 360とOpenAIのフロンティアモデルを横断的に結び付ける新しい体験を発表しました。これにより、企業はChatGPT上でAgentforce 360に直接アクセスし、テキストで問いかけるだけで売上データの照会、顧客会話のレビュー、Tableauの可視化作成まで実行できるようになります。一方で、Salesforce Platform側では、OpenAIの最新フロンティアモデル(GPT-5など)を選択してAIエージェントやプロンプトを構築できるようになり、共同顧客はChatGPTから数億人規模の米国ユーザーに対して安全に商品販売を展開しつつ、プロセス・データ・顧客関係の主導権を保持できます。
SaaSの世界では、従来のポイント&クリック型アプリが、複数の“面(サーフェス)”にまたがるエージェント主導の会話体験へと進化しています。今回の提携は、OpenAIのフロンティアモデルと機能、Salesforceのデータに根差した業務ワークフローをChatGPTとSlackの両面で融合させるもので、両者はそれぞれ週8億人超のユーザー、週52億件のメッセージを支える規模を誇ります。結果として、SalesforceとOpenAIの顧客は、慣れ親しんだ作業面からエンタープライズ級AIを容易に呼び出せるようになります。
具体的な統合内容として、ChatGPT上の「Apps in ChatGPT」にAgentforce 360アプリが登場し、CRMインテリジェンスやTableauの可視化を会話の文脈に直接持ち込めます。コマースでは、Agentforce CommerceがAgentic Commerce Protocol(ACP)とInstant Checkoutに対応し、注文・決済・フルフィルメント・顧客関係のコントロールを保ちながら、ChatGPT上での即時購入を実現します。SlackではChatGPTアプリが会話の要約、インサイト抽出、下書き作成を「仕事の流れ」の中で提供し、検索結果にはChatGPT連携ツールの社内ナレッジも反映されます。さらに、自然言語でコードを書き直すOpenAIエージェント「Codex」をSlackのチャンネルやスレッドでメンションし、適切なコンテキストと環境を自動選択してCodex Cloud上の完了タスクへリンクで回答できるようになります。
Salesforce側では、Agentforce 360 PlatformにOpenAIの推論・音声・マルチモーダル機能を取り込み、エージェント体験を一段と強化します。OpenAIはAtlas Reasoning EngineやPrompt Builderの既定LLMとして選べる推奨モデルとなり、Agentforce Salesのようなアプリはフロンティアモデルを組み込むことで、より豊かなコンテキストと迅速な分析を実現します。またこの提携は、意図(インテント)から会話を起点にシームレスな購買へつなぐ「会話型コマース」の実装を後押しします。ChatGPT内のInstant CheckoutとACPを基盤に、Agentforce Commerceのマーチャントは、利用者が製品を検索した瞬間に需要を捕捉し、安全な決済を提供できます。製品カタログはChatGPTに表示され、ACPとStripeによる埋め込みチェックアウトがトークン化・プライバシー準拠の取引を担保。たとえばスポーツウェア小売は、ハイキングギアを探す消費者に新作の登山ブーツを提示し、アプリを離れずにInstant Checkoutで購入完了、かつ小売側は顧客関係を保持できます。提供状況として、OpenAIのフロンティアモデルは本日よりAgentforceで利用可能です。Agentforce 360アプリとAgentforce CommerceのChatGPT対応は年内に提供開始予定。ChatGPTおよびCodexのSlack対応はすでに利用できます。
OpenAIについて
OpenAIは、ChatGPTをはじめとするフロンティアモデル、エージェント機能、開発者向けAPIを提供するAI企業です。安全性・ガバナンス・信頼性を重視しつつ、検索・購買・業務自動化など実務に直結するAI体験を拡張。パートナー企業との連携により、次世代のAIネイティブなコマースと働き方のエコシステム構築を推進しています。
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