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ScyllaDBとMongoDBのデータベースアーキテクチャ比較
NoSQLデータベースの選択肢は多岐にわたりますが、その中でもMongoDBとScyllaDBは注目されています。MongoDBは使いやすさで知られており、ScyllaDBは高いパフォーマンス志向で新たな競争相手として台頭しています。このレポートでは、両データベースのアーキテクチャを技術的に比較しています。
MongoDBとScyllaDBはどちらも高可用性、高パフォーマンス、スケーラビリティを約束していますが、これらを達成する方法は一見すると予想外に異なります。例えば、ScyllaDBはAWS EC2スポットインスタンス上で容易に運用できる一方、MongoDBの分散アーキテクチャでは難しいという経験報告があります。内部ストレージアーキテクチャと、高可用性および水平スケーラビリティを実現する分散アーキテクチャの違いがあります。
両データベースはC++で実装され、XFSファイルシステムの使用を推奨しています。また、ライトアヘッドログ(write-ahead-logging)コンセプトを基に構築されています。MongoDBはデフォルトストレージエンジンとしてB+ツリーインデックス(Wired Tiger)を使用してデータの格納と取得を行います。MongoDBは複合インデックス、テキストインデックス、地理空間インデックスなど複数のインデックスをサポートしています。一方、ScyllaDBはデータをシャードに分割し、各CPUに固有のRAMと永続ストレージ(NVMe SSDなど)を割り当てます。ScyllaDBは、ディスク永続コミットログとメモリベースのメモテーブルを用いてライトアヘッドログコンセプトを適用しています。
MongoDBでは、内部スレッドが利用可能なCPUコアに固定されていませんが、ScyllaDBはシャード毎のコアアプローチを採用しており、異なるコアやメモリスペース間の切り替えを避けています。
MongoDB:高可用性とスケーラビリティのための二つの運用モード
MongoDBのアーキテクチャは、高可用性を目指すレプリカセットクラスターと、水平スケーラビリティと高可用性を目指すシャーデッドクラスターの二つのクラスターモードを提供します。
ScyllaDB:高可用性と水平スケーラビリティのためのマルチプライマリ
MongoDBとは異なり、ScyllaDBは従来のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)アーキテクチャを採用せず、分散構造を使用しており、データは複数のノード間でシステマティックに分散および複製されます。
スケーラビリティに関しては、ScyllaDBとMongoDBの大きく異なる分配アプローチを考慮する必要があります。MongoDBはリード重視のワークロードを拡大するためにセカンダリの数を増やすことができますが、書き込みを伴うワークロードのスケールにはシャード化が必要です。
結論
MongoDBとScyllaDBを比較すると、両者の間に類似点も多くありますが、大きな違いもあります。両データベースは類似したユースケースに対応していますが、技術的な側面では異なるアプローチと焦点が見られます。MongoDBは小規模から中規模のワークロードに適している一方で、ScyllaDBは高いスケーラビリティ、高スループット、安定した低レイテンシーを求める性能重視のワークロードに対応しています。
https://thenewstack.io/mongodb-vs-scylladb-a-comparison-of-database-architectures/
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