Startup Portfolio
TSMCとASMLによる最先端半導体製造の支配に挑戦する米国の"Substrate"がSeedで$100M超を調達し評価額は$1B超
Substrateは、Founders Fund、General Catalyst、Valor Equity Partnersが参加したSeedで$100M超を調達し、評価額は$1B超に達しました。
2022年に設立されたサンフランシスコ拠点で最先端半導体製造を計画するSubstrateは、粒子加速器を使って、現在の最先端機器よりもはるかに低コストで半導体チップを製造することを計画し、TSMCとASMLによる最先端半導体製造の支配に挑戦しようしています。
Substrateが直面している技術的・財政的課題は極めて大きいですが、AppleやNvidiaを含むアメリカのテック企業が、最先端の半導体製造において外国企業に過度に依存している現状において、米国内の半導体製造能力を強化したいとSubstrateの創業者は考えています。
Substrateは、オランダのASMLが開発した微細なトランジスタをシリコンウェハーに刻むための高度なリソグラフィ装置や、TSMCの巨大な製造工場に代わる選択肢を構築することを計画しており、その実現には「何十Bドル」ものコストがかかると述べました。
半導体ファウンドリの建設には何十Bドルもかかり、ASMLの最先端装置1台の価格は数百Mドルに上ります。Substrateは、自身のアプローチによって、最先端ウェハーの製造コストを現在予想されている$100,000から、2030年末までには「$10,000近く」にまで下げられると主張しています。Substrateは2028年までに生産を開始することを目指しています。
Substrateが3年間にわたり秘密裏に技術開発を進めてきた背景には、米政府が苦境にある半導体メーカーIntelの将来を確保するためにシリコンバレーの同社に出資を含む支援策を検討していることや、中国がグローバルなテクノロジーサプライチェーンに不可欠なレアアース鉱物の輸出を制限する構えを見せていることがあります。
Substrateの技術は、粒子加速器をX線ベースのリソグラフィシステムの光源として使用するもので、ASMLの最新の「極端紫外線(EUV)」装置よりもさらに短波長の光を使ってシリコンに回路を刻みます。
Substrateはこのシステムを米国の国立研究所で実証しており、ASMLの最新「High NA」EUVツールと同等の解像度でウェハー上に複雑なパターンを作成することに成功しています。これにより、業界最先端の2nmプロセスノードでのチップ製造が可能になると述べています。また、既存のチップ製造ツールも活用する予定です。
Substrateには米国国立研究所、TSMC、Applied Materials、AMD、Google、Qualcommといった組織から集まった科学者やエンジニアを含む「非常に優秀な」チームが揃っています。
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