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2026/06/10

Startup Portfolio

フィンランドの世界最大レーダー衛星コンステレーションを運営する"ICEYE"がSeries Fで€450Mを調達し評価額は€10B超に急拡大

ICEYEは、General Atlanticがリードし、Nokia、Qatar Investment Authority、TCVなどが参加したSeries Fで€450Mを調達し、評価額は€10B超となりました。2025年12月にGeneral Catalystがリードした€150Mを調達したSeries Eでは同社の評価額は€2.4B($2.8B)だっため、1年足らずで評価額が約4倍超になったことになります。これは国家主権型の宇宙インテリジェンスシステムへの需要が急速に高まっているためです。各国政府は国内監視能力の強化に向けた支出を拡大し続けています。

フィンランドの宇宙技術企業で70基以上の合成開口レーダー(SAR: synthetic apertue radar)衛星を軌道上で運用するICEYEは、世界最大のレーダー衛星コンステレーションを保有・運営しています。同社の衛星は雲や煙、夜間でも観測が可能です。これまでに7カ国の政府が同社から独自システムの提供を受けています。

これらのシステムにより、各国の防衛機関は独自の衛星情報ネットワークを運用できるようになります。代表的な事例がポーランドです。同社は約€200M相当の国家主権型レーダーシステムを提供しました。このシステムは1年以内に運用開始され、現在では独立した軍事情報活動を支援しています。

ICEYEの成長は、ますます防衛契約を基盤とするものになっています。同社は売上高€250M超を報告しました。2025年のEBITDAは€100Mを超えています。受注残高は現在€1.5Bを超えており、需要は欧州、中東、アジア全域で拡大し続けています。

同社は今後も力強い売上成長を見込んでいます。展開拡大に伴い、年間売上高は€500M超になると予測しています。ICEYEの技術はリアルタイムの情報活動を支えており、各国政府は国境監視、戦場状況把握、海上監視などに同社のデータを活用しています。

同社は当初、気候モニタリングを主な事業としていました。しかし現在では、防衛用途が事業戦略の中心となっています。共同創業者兼CEOのRafal Modrzewskiは、宇宙から提供される国家主権型インテリジェンスが新たな段階に入ったと述べています。また、この需要は世界市場全体で加速していると語りました。

今回のSeries Fラウンドでは、複数の重要な戦略投資家が新たに参加しました。Nokiaは主要な技術パートナーとして参画しています。Qatar Investment AuthorityおよびTCVも投資に参加しました。Nokiaの参画は、衛星インテリジェンスと通信インフラの統合が進んでいることを示しています。

レーダー衛星は情報データを生成し、通信システムはそのデータをリアルタイムで意思決定者へ届けます。NokiaのCEOであるJustin Hotardは、現代の防衛には可視性と接続性の両方が必要であると述べました。

同氏はこの提携を、欧州全体で進む技術主権強化の一環と位置付けています。General AtlanticもICEYEへの長期的なコミットメントを強化しました。同社は、ICEYEの垂直統合型衛星プラットフォームと迅速な展開モデルを高く評価しています。

ICEYEの従業員数は現在1,000人を超えています。同社は創業以来72基の衛星を打ち上げてきました。2028年までに年間生産能力を100基へ倍増する計画です。また、ソフトウェア定義型システムを通じて能力拡張を続けています。

新世代の衛星は、ハードウェア交換ではなくソフトウェア更新によって性能向上が可能です。ICEYEは現在、Capella Space、Umbra、Synspectiveなどと競争する市場環境にあります。

しかし、事業規模と政府契約数の両面において、依然として同分野最大の事業者であり続けています。また、ICEYEは€300Mのリボルビング・クレジット・ファシリティも確保しました。さらにBusiness Finlandから€28.3Mの研究開発助成金を受領しています。

これらは世界展開を支える広範な資本戦略の一部です。同社の成長軌道は、欧州防衛技術全体で進む大きな変化を象徴しています。宇宙ベースのインテリジェンスは、実験的な能力から国家の中核インフラへと進化しました。

 

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