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Generative AIのMistral AI、Le Chatに音声対話・高度推論・画像編集機能を追加し、思考を深めるAIアシスタントへ進化
Mistral AIは、自社が開発するチャットボット「Le Chat」に大規模なアップデートを実施し、音声対話やリサーチ支援、高度な推論、多言語対応、画像編集などの新機能を追加したと発表しました。この強化により、Le Chatは単なる応答型チャットボットから、思考を深め、作業を支援する本格的なAIアシスタントへと進化しています。今回のアップデートの根底には、「チャットボットは単に答える存在ではなく、ユーザーの思考を拡張する存在であるべき」というMistral AIの哲学があります。その象徴ともいえる新機能が「Deep Researchモード」です。このモードでは、複雑な質問を受け取ると、それを要素分解し、信頼できる情報源を検索し、出典付きで構造化されたレポートとして出力します。市場分析、学術調査、政策トレンドなど、情報の深掘りが必要な場面で威力を発揮します。さらに、音声入力に対応する「Vocalモード」も新たに搭載されました。Mistral独自の音声モデル「Voxtral」を使い、リアルタイムかつ低遅延な音声対話が可能となり、ハンズフリーでの情報取得や移動中のブレインストーミング、会議メモの記録などに活用できます。
また、Mistralの推論モデル「Magistral」を活用した「Thinkモード」は、特に複雑なトピックや多言語対応に強みがあります。例えば、スペイン語での文案作成や、日本語での法律調査などにも対応し、言語をまたいだ高度な議論をスムーズにサポートします。情報整理をサポートする「Projects」機能では、会話・ファイル・設定をテーマごとにフォルダで整理でき、長期プロジェクトや複数の案件管理にも便利です。各プロジェクトでは会話履歴やアップロードしたドキュメントの文脈が保持されるため、作業の連続性が保たれます。さらに、Black Forest Labsとの連携により、テキストコマンドだけで画像編集ができる機能も追加されました。「この物体を消して」や「別の都市に私を配置して」といった自然言語指示に対して、Le Chatが自動的に編集を行います。
Mistral AIについて
Mistral AIは、生成AI分野で急成長を遂げているフランス発のスタートアップで、独自開発の大規模言語モデルをベースに高性能なAIチャットボットや推論エンジンを提供しています。軽量かつオープン性の高いモデル設計が特徴で、欧州を中心にグローバルな注目を集めています。Le Chatは同社の代表的なプロダクトであり、会話型インターフェースを通じて調査支援、ドキュメント処理、画像編集など多様な機能を統合的に提供する次世代AIアシスタントとして進化を続けています。
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